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角川文庫キャラクター小説大賞

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第6回 角川文庫キャラクター小説大賞

第6回 角川文庫キャラクター小説大賞 受賞作発売

大賞・読者賞『後宮の検屍女官』(小野はるか著、「後宮の検屍妃」を改題)、優秀賞『江戸落語奇譚 寄席と死神』(奥野じゅん著、「江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜」を改題)が、2021年4月23日に角川文庫より発売!! さらに、奨励賞『聖女ヴィクトリアの考察 アウレスタ神殿物語』(春間タツキ著、「無能聖女ヴィクトリア」を改題)が、2021年8月24日に角川文庫より発売!!

大賞読者賞ダブル受賞

『後宮の検屍女官』

『後宮の検屍女官』

著者:小野はるか(おの・はるか)
イラスト:夏目レモン

後宮にうずまく疑惑と謎を検屍術で解き明かす、
中華後宮検屍ミステリ!

試し読み 〉 人物紹介・詳しい内容はコチラ 〉 購入 〉
《あらすじ》
「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。
謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。
皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、
幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。
花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。
多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。
そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ——
著:小野はるか
福島県在住。「ようこそ仙界! 鳥界山白絵巻」で第13回角川ビーンズ小説大賞〈読者賞〉を受賞してデビュー。「後宮の検屍妃」で第6回角川文庫キャラクター小説大賞〈大賞〉〈読者賞〉をダブル受賞。
《担当編集より一言》
後宮を題材にした小説は数多くありますが、「検屍」との組み合わせとは——! まったく新しい後宮ものが誕生しました。陰謀策謀の絶えない後宮で、遺体に残された「事実」から真実を導き出していく桃花の姿が魅力的です。しかも普段は眠ってばかりのぐうたら侍女というギャップも素敵。呪いの噂に隠された真実とは—— 。豊富な知識に裏打ちされた骨太な作品で、最初から最後まで楽しんでいただけること間違いなしです!

優秀賞

『江戸落語奇譚 寄席と死神』

『江戸落語奇譚 寄席と死神』

著者:奥野じゅん(おくの・じゅん)
イラスト:硝音あや

人気文筆家×大学生の謎解き奇譚!

試し読み 〉 人物紹介・詳しい内容はコチラ 〉 購入 〉
《あらすじ》
大学2年生の桜木月彦は、帰宅途中の四ツ谷駅で倒れてしまう。助けてくれたのは着物姿の文筆家・青野で、「お医者にかかっても無理ならご連絡ください」と名刺を渡される。半信半疑で訪ねた月彦に、青野は悩まされている寝不足の原因は江戸落語の怪異の仕業だ、と告げる。そしてその研究をしているという彼から、怪異の原因は月彦の家族にあると聞かされ……。美形文筆家と、なりゆきでその助手になった大学生の謎解き奇譚!
著:奥野じゅん
3月28日生まれ、神奈川県出身。「江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜」で第6回角川文庫キャラクター小説大賞<優秀賞>を受賞。
《担当編集より一言》
本作を読んだ後、自分も落語を聞きに行きたい!と率直に思いました。興味があるけれど、なかなか敷居が高い「落語」を、こんなに楽しく読めるとは!! 青野の、美形だけど江戸っ子気質を反映させた短気というところがポイントです。またいろんなところにちりばめられている花札のウンチクが効いて、より一層世界観を引き立ててくれています。

奨励賞

《あらすじ》
霊や魔力を目視出来る少女・ヴィクトリアは、先代聖女の予言により聖女に選ばれたが、「無能」を理由に追放処分を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士・アドラス。「“俺が皇帝の実子ではない”と、君に証明してもらいたい」この依頼から、陰謀と魔術の絡む皇位継承争いに巻き込まれ……。鈍感聖女と破天荒騎士の、異世界ファンタジー×ミステリー!
著:春間タツキ
東京都出身。医師。「焦田シューマイ」名義で2020年『結婚初夜のデスループ〜脳筋令嬢は何度死んでもめげません〜』(双葉社)にてデビュー。同年、本作で第6回角川文庫キャラクター小説大賞〈奨励賞〉を受賞。
《担当編集より一言》
王道の異世界ファンタジーと思って読み始めたら、良い意味で裏切られました! 魔術、呪い、バトルなどファンタジーの鉄板要素でワクワクさせられるうえに、出生の秘密から不審な死まで、気になる謎もどんどん加わり、先が気になって一気読み。最後に披露される、設定を上手く絡めた謎解きも気持ちよく、読後感バッチリでした。ヴィクトリアの、どこかのんびりとした性格と、アドラスの真っ直ぐ揺るぎない格好良さも印象的で、絶妙な2人の距離感にニヤニヤしてしまうはず。サービス精神満載の他にない面白さを、早く皆さんにも楽しんでいただきたいです!

受賞の言葉&選評

受賞の言葉

大賞/読者賞(大賞 賞金150万円)

『後宮の検屍妃』小野はるか(おの・はるか)

《あらすじ》
死王が生まれた—— 大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明の目にとまったのは、幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花。彼女には、死者の声を聞き、罪なき虜囚を救う術—— 検屍術の心得があった。後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!

この度は、大賞と読者賞という素晴らしい賞を二つも頂戴できましたこと、心より光栄に思います。選考に携わられた皆様、そして応援してくださったすべての方々に篤く御礼を申しあげます。

私は古代文明が好きです。なかでも古代の中国が大好きで、我が国日本を形作るものの多くが海を渡って彼の地からやってきたのかと思うと、非常にロマンをかきたてられます。

そうして海を渡ってきたものの一つで、特に興味を覚えたのが拙作で扱った法医学、検屍です。なんと中国では三千年前にはその片鱗が見られ、十三世紀前半にはもう確立されていたというのです。そうしてこれが中国から日本へと伝わり、江戸時代には我が国でも検屍が行われていた……! そう知ったときの衝撃は忘れられません。

いつか自分でもこれを題材にして小説を書いてみたい。そう思っていた物を、今回公募にチャレンジするにあたって形にしてみました。どうせなら、と、ライトミステリ、宦官、ホラーエッセンスなど、とにかく『好き』を詰めこみました。それがこうして身にあまるほどの評価をいただけましたこと、非常にうれしく思っております。

この感謝を胸に、これからも勉強と精進をつづけていく所存です。改めまして、本当にありがとうございました。

優秀賞(30万円)

『江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜』小野じゅん(おの・じゅん)

《あらすじ》
大学2年生の桜木月彦は、帰宅途中の四ツ谷駅で倒れてしまう。そこへ、着物姿の青野という男性が現れる。「お医者にかかっても無理ならご連絡ください」と渡された名刺。1か月前から怪異に悩まされていた月彦は、恐る恐る青野の下を訪れる。江戸落語にまつわるおばけを研究しているという彼と共に、夜な夜な現れる怪異の謎を解いていくうちに、月彦の両親の不仲が関係していることが明らかになる。人気文筆家×大学生の謎解き奇譚!

この度はすばらしい賞にご選出くださいましたこと、ありがとうございます。選考に携わられた皆様に、心より御礼申し上げます。

子供の頃から常に「何者かになりたい」という思いを抱きながら、何も成果が出せないまま、もがいて生きてまいりました。履歴書の長所の欄に書くことがなく、いつも『筆まめ』とだけ書いていたわたしですが、まさかこんな形で筆まめスキルが発揮されるとは、夢にも思いませんでした。

本作は、「物腰やわらかな美青年と可愛い男の子がおばけを追いかける話を書きたい」という、大変素朴な発想から生まれたお話ですが、大きなテーマとして、家族問題について書きたいという思いがありました。メッセージが重苦しくなりすぎないよう、キャラクター文芸のポップさとバランスをとりながら、楽しく書き上げました。書店に並び、幅広い方々にお手に取っていただける機会に恵まれる幸運を、噛みしめております。

また、このお話はステイホーム期間に書いたものなのですが、このタイミングでデビューさせていただくことに、きっと何か意味があるのだろうと思います。世界中の方々が未知のウイルスの脅威にさらされるなか、自分にできることと言えば、一途に小説を書くことしかありません。一生懸命勉強して、面白い話をお届けできるよう、頑張ります。

改めまして、本当にありがとうございました。

奨励賞(20万円)

『無能聖女ヴィクトリア』焦田シューマイ(こげた・しゅーまい)

《あらすじ》
霊や魔力を目視出来る少女・ヴィクトリアは、先代聖女の予言により聖女に選ばれたが、「無能」を理由に追放処分を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士・アドラス。「“俺が皇帝の実子ではない”と、君に証明してもらいたい」この依頼から、陰謀と魔術の絡む皇位継承争いに巻き込まれ……。鈍感聖女と破天荒騎士の、異世界ファンタジー×ミステリー!

この度は素晴らしい賞をくださり、ありがとうございます。選考に携わられた皆様、そして日頃より温かい応援の言葉をくださる読者の皆様に、厚くお礼申し上げます。

もともと私はネット小説家として活動しており、拙作『無能聖女ヴィクトリア』も、はじめは小説投稿サイトで連載するつもりで用意を進めておりました。ジャンルは異世界ファンタジー。テーマは聖女追放と、設定もネット小説にお馴染みのものばかりです。

しかし執筆を進める途中で、困ったことになりました。作中に大好きな‶謎〟や‶陰謀〟といった要素を練り込んでいくうちに、ストーリーの主軸が王道の聖女ファンタジーから大きく外れてしまったのです。

例外もありますが、ネット小説では王道を押さえた作品が好まれる傾向にあります。軌道修正すべきか、それともこのまま突き進むべきか、非常に悩みました。

けれども、好きなものをとことん書きたいという欲求は抑えきれず。結局思うがまま筆を走らせ、出来上がったのがこの作品になります。

書きたいという気持ちを込めた作品が、今回このようなご評価をいただけて、感謝の念に堪えません。

未熟者ではございますが、少しでも多くの方に楽しんでいただける作品を作り出せるよう、より一層精進して参る所存です。

改めて、ありがとうございました。

選評

素材の料理法と登場人物の融和 荻原規子

第6回より、角川文庫キャラクター小説大賞の選考委員を務めます。どうぞよろしくお願いします。

拝読した4作品は、どれも秀でた文章力がありました。その中で優劣の決め手になるのは、素材の料理法と登場人物の融和でしょう。候補作品にはトレンドがあり、同じ時期に同じような素材に集中しがちです。書き手がそのことを踏まえ、光を放つ独自性を加味していることに期待します。

小野じゅんさん『江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜』は、江戸落語ネタの怪異というユニークさと、語り手の心情や悩みが物語に無理なく溶けこむところがよかったです。温かさのある文章でした。やや怪異の説得力に欠けるのと、「失礼のないように」という主題が深くならなかったのが惜しかった点です。

穂波春野さん『九遠堂怪奇幻想録』は、綿密に語る箇所と語らない箇所が適切でない印象を受けました。語り手高校生の人物・行動に作者の都合が残ります。また、現実味のないものごとに直面する場面では、玄妙な雰囲気のために書けることがもっと多かったはずです。整った文章をもつ才は、他の題材に向けたほうが活きるかもしれません。

小野はるかさん『後宮の検屍妃』は、メインの登場人物に宦官をもってくる度胸のよさと、古い検屍術を詳細に展開する下調べの深さに感服します。宦官の微妙な事情を品よく表現するセンスもたいしたものです。桃花の登場シーンがさりげなく効果的で、過不足なくキャラが立っていました。延明があと少ししたたかでもいいとは思いましたが、全体に文句なく楽しみました。

焦田シューマイさん『無能聖女ヴィクトリア』は、天然なヴィクトリアがほとんど悩まないので、逼迫した場面も明るく読めました。異世界ファンタジーにありがちな魔法世界で、ありがちに進むかと思わせて、予想外の謎解きになったところが光って面白かったです。ただし冒頭シーンはやりとりが軽すぎて、権威ある神殿の威厳が足りなかったかも。

「想像力と創造力」 中村航

最終選考に残った4作品を読ませてもらった。プロアマ問わずの小説賞ということで、完成度の高い力作ばかりだった。

大賞に選ばせてもらったのは、小野はるかさんの『後宮の検屍妃』。妊婦の遺体が棺の中で赤子を出産する、という衝撃的な事件からスタートする上質なミステリーだ。まず後宮と検屍という組み合わせが斬新で、破綻や矛盾を感じさせることなくそれをよませる筆力がすごい。想像力と創造力が、高いレベルで結びついた作品だった。こちらは読者賞とのダブル受賞となった。読者賞のほうは書店員さんたちの投票で決まったもので、読みたい作品、或いは売りたい作品として、このジャンルの人気の高さを感じた。

優秀賞は小野じゅんさんの『江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜』。こちらは何しろ、キャラクターが良かった。素直で人懐っこいが「家族に興味が持てない」という主人公がキュートで、物腰柔らかで女子人気も高いくせに突然怒り出す相棒が素敵だ。落語や花札のモチーフも面白いし、老若男女、誰にでも読みやすいはず。人気を獲得する小説になり得ると思う。

奨励賞は焦田シューマイさんの『無能聖女ヴィクトリア』。世界観やストーリー、キャラクターに、どうしても既視感を覚えてしまったのが奨励賞に留まった理由かと思う。但し、ファンタジーとしての完成度は高いし、ミステリー要素もあり、たいへん読ませる内容だった。“物見”という設定もとても面白いし、考えさせられる。

選外となってしまったが、穂波春野さんの『九遠堂怪奇幻想録』には可能性を感じた。難語が頻出するのに読みやすい文章で、最後も気持ちいい。登場人物の行動や認識に納得できないところがあるので、推敲を重ねると良くなると思う。

受賞作品発表

2020年10月14日(水)に第6回 角川文庫キャラクター小説大賞(主催=株式会社KADOKAWA)の選考会が行われ、選考委員の審査により、下記のように決定いたしました。

受賞作品

大賞/読者賞(大賞 賞金150万円)

『後宮の検屍妃』小野はるか(おの・はるか)

優秀賞(30万円)

『江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜』小野じゅん(おの・じゅん)

奨励賞(20万円)

『無能聖女ヴィクトリア』焦田シューマイ(こげた・しゅーまい)

選考委員:荻原規子(作家)/中村航(作家)/角川文庫キャラクター文芸編集部

第6回 角川文庫キャラクター小説大賞は、499作品の応募があり、第1次選考(28作品通過)、第2次選考(4作品通過)を経た最終候補の中から、受賞作が決定いたしました。受賞作品は角川文庫より2021年春ごろに刊行予定です。

2次選考結果発表

第6回 角川文庫キャラクター小説大賞は総数499作のご応募をいただき、1次選考通過作品28作より、厳正な審査の結果、下記4作品を最終候補作として決定いたしました。

最終選考会は、2020年10月中旬に行われる予定です。選考結果は、角川文庫キャラクター小説大賞サイト上で発表いたします。

作品名一覧

◆小野じゅん「江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜」

◆穂波春野「九遠堂怪奇幻想録」

◆小野はるか「後宮の検屍妃」

◆焦田 シューマイ「無能聖女ヴィクトリア」

1次選考結果発表

第6回 角川文庫キャラクター小説大賞は総数499作のご応募をいただき、第1次選考通過作品28作を決定いたしました。 第2次選考は、2020年8月中旬に行われます。選考結果は、角川文庫キャラクター小説大賞サイト上で発表いたします。

小野じゅん
江戸落語奇譚 〜怪異には失礼のないように〜
穂波春野
九遠堂怪奇幻想録
穂村美椎
春、高く飛べ!
純 玲衣華
あやかしバーで癒しのひとときを
碧井永
脅し脅され道づれに
島海円
G 〜検事、これでは起訴できません〜
オーミヤ・シュージ
びゃくやの夜明け
木原俊明
里昂の猟奇と小さな手
のはら
カミング
山口ユリカ
山田くんの秘密カノジョ
秋保千代子
椿の花のごとく死ね
江戸川台ルーペ
空気の中に変なものを
deruta6
つくもがみ骨董店
柳なつき
ざらつく 飼い犬として育てられた少女と、飼い主として育てられた少年と。
魚道 指針
白と黒と映画と復讐
白崎 紗己
婚姻の事由
LOKI
高嶺のあの子はガチゴリラ
小川 了
夕凪家奇譚
小野はるか
後宮の検屍妃
高山 環
二人合わせて余命三年
蒼キ るり
変幻自在
篠城 暁
流星
谷川人鳥
十月の芋煮
浅尾 帰鏡
八雲の聲を聞け
焦田 シューマイ
無能聖女ヴィクトリア
succeed1224
薬屋稼業
沙都呼
怪師―アヤカシ―骨董店 あなたの思い出、浄化します
皆月 蝶子
カジノ・フォーリィー!〜喜劇探偵と顔のない助手〜

2020年7月28日